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モース硬度って何?

物の硬さを表す単位「モース硬度」
何度か耳にしたことはあるのですが、「この石はモース硬度3だよ」とか言われても
いまいちピンときませんね。せっかくなのでこの単位について調べてみました。

モース硬度の概要

モース硬度とは鉱物学者フリードリッヒ・モースさんによって提案された
鉱物の硬さを示す単位の一つです。
ここでいう「硬さ」とは「引っ掻いたときの傷のつき難さ」であり、
「壊れにくさ」では無いことに気をつけて下さい。壊れにくさには「硬さ」でなく「靱性」という表現を使います。
さて、モース硬度は1から10までの数で表され、数字が上に行くほど傷つきにくいといえます。
たとえばタイヤモンドはモース硬度10であり、地球上で最も硬い鉱物であるとされています。

どうやって測るのか?

モース硬度の測り方は非常に簡単で、モース硬度1から10までの
標準物質」と呼ばれる鉱物で硬度を測りたい物質をこすり、傷がつくか否かによって測定します。
たとえば硬度が未知の物質があったとします。
その鉱石でモース硬度3の標準物質「方解石」でこすったら傷が付き、
モース硬度4の標準物質「蛍石」をこすっても傷が付かなかった、という場合
その未知の物質はモース硬度3と4の中間なのでモース硬度3.5ということになります。
なんだか非常にアバウトな測り方ですが、測定装置の無い野外などでは
簡単な硬度測定法として重宝されるようです。

ではここでモース硬度1から10までの標準物質を挙げていきましょう。

モース硬度1:滑石(かっせき) 
白いロウソクのような光沢を持ち、爪で傷つけることができます。      
黒板用チョークや化粧品、医薬品等に用いられます。

モース硬度2:石膏(せっこう)
土壌中及び溶岩内から発見され、骨折したときのキブスの材質等に使用されます。
水を加えると発熱します。

モース硬度3:方解石(ほうかいせき)
石灰石とも呼ばれます。純粋なものは透明で、
光学機器のレンズ等に使われることがあるようです。
この辺になると、爪では傷が付かず、コインなどでこすると何とか傷がつけられるレベルです。

モース硬度4:蛍石(ほたるいし)
英語で書くとフローライト。幅広い波長の光を透過するという特徴を持ち、
高級な光学機器のレンズとして用いられることが多いようです。
コインでは傷が付けれませんが、ナイフなら傷を付けることができます。

モース硬度5:(りんかいせき)
美しい輝きを持ち、アクセサリー等に利用されることがあります。
また、肥料になったり、人工骨の原料になることもあります。
ちなみに英語で書くとアパタイト。これはギリシア語の「ごまかし」という意味であり
他の鉱石とよく間違えられるためにこの名前が付いたようです。

モース硬度6:正長石(せいちょうせき)
地球上の殆どの岩石に含まれていて、陶器や、歯磨き粉の原料にされます。
この辺になるとかなり硬くなり、ナイフでも傷が付きません。

モース硬度7:石英(石英)
無色透明なものは水晶と呼ばれます。英語で書くとクォーツ。
クォーツ時計は、内部機構に水晶を用いているため、この名前が付いています。
内に含まれる物質により、紫水晶や黒水晶など様々なカラーバリエーションが存在します。
非常に硬く、鋼鉄ですらコイツには傷を付けることができません。

モース硬度8:黄玉(おうぎょく)
英語で書くとトパーズ。ご存知のとおり、価値の高い宝石として扱われます。
11月の誕生石であり、その意味は友情だとか。
水晶よりも更に硬い物質ですが、反面衝撃には弱く壊れやすい性質も持っているようです。

モース硬度9:鋼玉(こうぎょく)
英語で書くとコランダム。宝石に用いられることが多く、
赤色のものはルビー、青色のものはサファイヤと呼ばれます。
恐ろしく硬いため、研磨剤としても利用されます。
ちなみに横断歩道のペンキには滑り止めとしてコランダムが混ぜられています。

モース硬度10:金剛石(こんどうせき)
英語で書くとダイヤモンド。この星で最も硬い物質とされています。
宝石や研磨剤等に使用されます。ちなみに「壊れにくさ」である靱性はそれほど高くないため
ハンマー等で上から叩けば壊すことができます。
また、薬品等による変質はしにくいですが、火にくべるとあっという間に炭になります。

身近な物質のモース硬度

最後に身近な物質のモース硬度を紹介しましょう。
まず爪、これはモース硬度2.5であり、10円玉はモース硬度3.5であるとされています。
また、鉄クギはモース硬度4.5程度、ナイフはモース硬度5.5程度です。

・・・RPGなどでは、ダイヤ製の武器が鋼よりも強い高性能武器として
登場することがありますが、あれは間違いなんですね。ちょっとショックです。


今日の参考になったサイト:
モース硬度 - Wikipedia
硬さと単位 - ビッカース硬さ試験
福本修の宝石鉱物小事典
iStone 鉱物と隕石と地球深部の石の博物館


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